このところ女性に関するニュースが世界を駆け巡っています。ニュージーランドでは女性首相が在職中に出産して産休を取得、サウジアラビアでは世界の国々の中で一番遅く女性の自動車運転が解禁されたなど、宗教や政治風土を超えて女性の活動領域がどんどん拡大しているようです。昨年、男性プロデューサーからのセクシャル・ハラスメントを実名告発したアメリカ・ハリウッド女優に端を発して「#Me Too(私も被害を受けていた)」とSNSで同調告発する輪があっという間に広がりました。この波動が、地球上で何世紀も続いてきた男性支配構造という岩盤を少しずつ揺るがしているのでしょうか。自由な風が地球上に吹いてきていると多くの国々の女性たちは感じ始めているのかもしれません。


とはいえ、この日本では「#Me Too」運動は話題にこそなれ、「女が男を陥れようとする罠だ」という男たちの声にかき消されそうなほど、男性優位社会はなかなか揺るぎません。「戦後強くなったのは女性とストッキング」と揶揄されながらも、女性参政権(1945年)から男女雇用機会均等法(1985年)まで、女性の地位向上と経済的平等を目指す法整備は少しずつ進められてきました。今の安倍政権の目玉政策は「すべての女性が輝く社会づくり」だとか。言葉はきれいですが、どこか男性の上から目線を感じるという女性もいるようです。というのも、女性の経済的自立を賛美する一方で、パートや非正規従業員の比率が高い女性たちの実質収入は、まだ男性の半分から4分の3程度の職場が多いからです。「食えないから我慢するしかない」。戦後ずっと右肩上がりが続いてきた離婚率(人口1000人あたりの離婚届件数)も、2002年の2.30をピークに一転下がり始めました。バブル崩壊後の失われた20年による年収低下の中で、離婚しても妻の収入だけでは生活が難しいという女性側の苦渋の選択が数字に表れているのでしょうか。


そんな先輩女性の生き方を目にしながら、今の20〜30代の女性たちは生き方を変えてきています。男に頼る人生はイヤだ、不満だらけの結婚より自分で納得できる一人暮らしを選ぶという傾向でしょうか。新聞や雑誌などのマス・メディアが現実を映す鏡だとすると、最近の女性誌からは「現代に生きるいい女像」が浮かんできます。寿司屋や焼き肉店にも一人で行く女性が急増中で、スポーツ観戦やイベント・フェス参加も一人で楽しむ「ソロ充女子」でいいじゃないか、もうおひとりさまは怖くないと『Oggi』は喝!を入れています。老舗の『婦人公論』も「みんなでいくよりソロがいい。充実したひとり時間を!もっと自分中心になっていい」と、これまた意識改革のすゝめです。実際、生涯未婚という生き方を選ぶ女性は2015年の国勢調査では14.06%、ざっと7人に1人います。それでも恋愛、同棲、結婚の相手を求める女性は多数派です。でもそこでも新傾向が。年下・定職なし・低収入の男子の面倒を見て幸せを感じる「養い系女子」が増えていると『BAILA』が伝えています。既婚の女性たちも元気です。40代向け女性誌『STORY』では、子育てや家のことを何ひとつやろうとしない妻依存の亭主を「クソ旦那」と言い放ち、そんな亭主の世話をしている彼女たちが少しでも心安らかに過ごせるようあの手この手の対処法を披露しています。世良公則がシャウトした「燃えろいい女」がヒットしたのは1979年。当時の若い女性の心を熱くした歌でしたが、今の女性たちはきっと「いい女なんて、男に決められたくないわ」と鼻にもひっかけないでしょうね。「誰と一緒にいるかは自分で決める。素敵なソロライフを送る人生を積極的に選んでいきましょう」―『Oggi』7月号のページからは、こんな応援歌が流れています。さあ、どうする、男たちよ。




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