元号が「平成」から「令和」に替わって初めての大相撲五月場所が、なかなか話題豊富です。まず大関昇進が決まって初の土俵となる貴景勝がどんな相撲を見せるのか。もっと上を目指したいとの有言実行ぶりを発揮して、一気に横綱に駆け上がるような勢いのある土俵を努めるのか。稀勢の里の引退後、再び沸き起こってきた日本人横綱待望論が貴景勝の背中を押しています。反対に、足のケガで本来の力が出せずに先場所で大関を陥落した栃ノ心は、再起を目指す場所となり、10勝して大関に返り咲くのか。貴景勝を筆頭に20代前半の若手力士が力をつけてきて、新旧交代の趨勢がはっきりとわかる場所になるかどうか、歴史的に見ても注目の場所になりそうです。


といっても、そこには巨大な壁があります。先場所で史上最多42回目の優勝を飾った横綱・白鵬の存在です。表彰式の途中で勝手に万歳三唱を観客に促して、神事である大相撲をなんと心得ると横綱審議委員会のお歴々から批判を浴びましたが、角界の頂点としての存在感はまだまだ圧倒的です。その白鵬がモンゴル国籍を離脱して、日本国籍を取ったうえで、引退後、一代年寄の親方として相撲界に残りたいのではという報道がありました。モンゴルをはじめ、ジョージア、ブルガリア、ブラジル、中国など力士の国籍も多くなり、グローバルな世界になった大相撲ですが、親方になるには日本国籍であることが日本相撲協会の規定にあるからです。グローバルといえば、両国国技館にはたくさんの外国人観光客が毎日詰めかけています。五月場所には国賓として来日予定のアメリカのトランプ大統領が観戦する、というビックリな話も飛び込んできました。フェイクニュースではないと思いますが。


今の大相撲は、平成の初めに沸き起こった若貴ブーム以来の人気だそうです。外国人観光客だけでなく、ここ数年の相撲人気を支えている新勢力はスー女といわれる女性層です。それを加速したのが、昨年1月から始まったインターネット無料テレビ「AbemaTV」の相撲中継だという説が有力です。序の口から中継を開始して、結びの一番まですべての取り組みを生中継しています。まだ場内がガラガラ状態の昼間から取り組みを見られることから、特定の若い力士をひいきにする女性たちが増えて、場内で力士のしこ名で呼ばずに名前を大声で叫んで応援するという、今までにない光景が出現しています。タカラヅカの将来のスターの卵に若いうちから目をつけて応援する、というのに似ていますね。その子が成長してビッグになるのが楽しみという育てる喜び、一緒に大きくなっていくことで感じる充実感とでもいうのでしょうか。ただ、最近の幕内力士の平均体重はかつての人気横綱・貴乃花の160キロを大きく超える巨大化が進んでいて、巨体同士がドーンとぶつかって、すぐにはたいたり引いたりしてどちらかがばったりと倒れる、というあっさりした取り組みが目立ちます。いろいろな技の応酬で二転三転するハラハラ相撲が少なくなり、相撲内容が劣化していると指摘する専門家もいます。小が大を倒す、柔よく剛を制すという相撲の醍醐味をもっと見せてほしいものです。




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